Misocaの技術力のもとで培ってきたマーケティング力 (第1回:目標の設定と策の絞込み)

この度、Misocaは弥生グループの一員となりました。これはMisocaが「お客様が喜んでくれるサービス」を突き詰めてきた結果だと思っています。

これからのMisocaの目指すものについて、代表の豊吉が記事にしているのでぜひご覧ください。(Misocaが目指しているものについて

さて、今回の記事では、技術力で評判のMisocaが培ってきたマーケティング力について全3回の記事でお伝えしていきたいと思っています。集客で悩むサービスの参考に少しでもなれば幸いです。
※マーケティングと呼ぶのはおこがましいかもしれません。主に集客についての話です。

  • 第1回:目標の設定と策の絞込み
  • 第2回:停滞と種まき(メディアの立ち上げ ~成果は◯ヶ月後に~)
  • 第3回:飛躍とまとめ(選択と集中 ~◯◯が成長の秘訣~)

この記事では私(@huuzoo)がマーケティングを担当し始めた1年半前からの話をしていきます。1年半前の時点で、Misocaではコンテンツマーケティングに着手はしており、記事の本数やPVはある程度ある状態でした。
※ちなみに私の背景は、元マーケ担当で、「自分で作れるようになりたい」という思いから、勉強させてもらうためMisocaに飛び込んだ身です。

第1章:目標の設定

まずマーケティングチームとしてはじめに取り組んだこと、それは「目標の設定」です。それまでは目標はあるにはあったのですが、そこまで意識はされてはいない状況でした。

そして「半年後の月間登録ユーザー数を約5倍にする」という(結構高い)目標が掲げられました。※実際には月間登録ユーザー数◯◯◯と具体的な数値となります。

そして目標の設定とともに目の前には、「KPI管理グラフ」と言われるシートが貼りだされました。
Misocaマーケティング

これはまだ目標を意識できなかった当時にはとても効果的でした。そして後々、目標と現実との乖離に悩まされるようにもなりました。

第2章:まずは分析&着手

目標が設定され、はじめに着手したこと。それはGoogle Analyticsを使っての分析です。
大体MisocaではAnalyticsの「行動」>「ランディングページ」を見て各ページのセッションとコンバージョン率を見ています。


登録数 = セッション数 ☓ 登録率


の定義のもと、まず、ざーっと全体的に見て、「影響の大きそうなところ」&「簡単にできるところ」を見つけて、何か始めることを大切にしました。

第3章:開発に歩み寄り

ただ、ここで個人的な問題がひとつ。当時、Misocaはすべてのメンバーがエンジニア。htmlやcssを触れるのは当たり前。しかしマーケティング畑出身の私は、簡単なソースを書くことはできるけど、自分できれいなレイアウトのソースを書くのはできない状態でした。

そして、マーケティングチームメンバーも専任が一人と、代表の豊吉、私の3人という少人数体制だったため、何かを始めるにしても、自分で学びながら進めないと何もできない状態でした。

これがMisocaマーケティングチームの「半エンジニア化」の始まりで、今もその「半エンジニア」状態の文化は引き継がれています。(むしろより一層強まっている。)

第4章:ラッキーパンチ

そんなこんなで始まった目標達成への道ですが、幸運だったのが一番はじめに行った施策が結構なインパクトのある成功をしたことです。

かなりセッション数がある。しかし登録に結びついていないあるページに、ABテストを施したところ、これが大幅なユーザー獲得に結びつきました。

※ちなみにMisocaではABテストはOptimizelyを使っています。Optimizelyは今も昔もMisocaのマーケティングチームのなくてはならないサービスです。

第5章:大まかにストーリーを立てる

上記の施策が上手くいったことで、目標達成に向け、大まかなストーリーができあがりました。それは、「(改善に結びついた記事と同じような)当たり記事を作る」こと。

当たり記事を発掘し、同等のページをいくつか作ることができれば、目標件数の大体の件数が達成でき、それにABテストを絡めればいける。

個人的な大体のリソースと登録者数の割り振りは下記のような感じです。

  • 記事作成 70%
  • ABテスト 25%
  • 残りの足りない件数は広告 5%

ということで、マーケティングチームメンバー総出で、どんな記事がいいか考え、作成にあたりました。

第6章:ストーリーの矛盾を見つけていく

矛盾1

大体1ヶ月くらいでしょうか。記事のアイデアを考え、作成するということを続けました。先述のKPI管理表には作成した記事の本数分がシールが貼られるようになりました。(涙)
代表の豊吉も一週間に5本〜多い時には10本くらい作成していたと思います。そして、書いていく間に、メンバー全員がうっすら感じていたのではないでしょうか?

「これ、本当に効果あるのかな。。。?」

と。。。

なかなか芽の出づらいコンテンツマーケティングとは分かっていたものの、なかなか書いた記事のセッション数や登録が見えないのはつらいもので、徐々に心がすり減っていきました。

そして明確だったことは「成果を出した当たり記事と同程度インパクトがある記事を作成するのはおそらく無理」という厳しい現実でした。

このタイミングで徐々に記事作成からABテストの比重をアップするようになっていきました。

矛盾2

そしてもう一つ、ストーリーの中で矛盾していたことが、「広告」でした。はじめからそこまで考えてはいなかったのですが、半年後の目標の設定月が2月で、請求書の需要も高くなるので、どれほど広告のインパクトと効率があるのかを事前に見ておきたいと思い、リスティングとディスプレイネットワークとFacebook広告を行いました。

何が矛盾だったかというと、CPA(獲得単価)が合わないということもひとつあったのですが、それよりも「件数がとれない(予算が消化できない)」という点でした。CPAは調整することはできますが、そもそも母数がとれないので、広告運用するよりは、Misocaの資産となるコンテンツを拡充したほうがいいということで、広告は選択肢から静かに消えました。

第7章:策が絞られた

こうして、やれる策が良くも悪くも徐々に絞りこまれ、やることが明確になってきました。大体4ヶ月目くらいでしょうか。そのときには、

  • 記事作成 40%
  • ABテスト 60%

程の割り振りだったかと思います。ABテストを中心に行うことで、徐々に改善されてはいました。が、しかし、KPI管理表の目標との乖離は徐々に広がっていきました。ここで実施したのがトップページのリニューアル。今までとは大きく異るデザインに変更しました。

このときのデザインを担当してくれた外注のデザイナーさんは今でも忘れません。
登録者数がそれまでの135%ほどになりました。リニューアルした次の日はAnalyticsをリロードするたびに増える登録者数が嬉しくて、1日の大半をリロードで過ごしました。

もう一つ着手していたのが「ファーストビュー」のABテスト。Misocaのあらゆる既存ページのファーストビューでMisocaの訴求をするように改善を重ねました。

そして、この時から過去に作成してきた記事から徐々に効果が現れてきました。あれだけ苦労した記事からの獲得が徐々に増えていくのはとても感慨深いです。1記事1記事での獲得は小規模ではありますが、結構な本数を書いたので、それらが登録者数の増加に大きな貢献をしてくれるようになりました。

第1回まとめ

そうして、序盤は苦戦してきたものの、後半は比較的好調な数字で推移となってきました。しかし、目標設定月の直前、思わぬ苦戦を強いられることになりました。
その模様は第2回の「停滞と種まき(メディアの立ち上げ ~成果は◯ヶ月後に~)」編に続きます。

また、Misocaではマーケティングメンバーを募集しています。興味のある方はこちらからご連絡ください。

クラウド請求管理サービス「Misoca」の今後について

本日、株式会社Misoca(以下、Misoca)は、弥生株式会社(以下、弥生)のグループ会社となることを発表いたしました。

【Misocaプレスルーム】弥生株式会社による株式会社Misocaの全株式取得について

今回のグループ会社化に伴う、クラウド請求管理サービス「Misoca」についての大きな仕様変更予定はございません。
また、経営陣や開発チームは引き続き「Misoca」の開発・運営に従事していきます。

これまで「Misoca」は、88,000以上の事業者の皆様にご登録いただいており、自動郵送機能をはじめシンプルで使いやすい操作感が好評を獲得し、サービスを拡大してきました。

弥生には、そのシンプルで使いやすい「Misoca」のプロダクトを十分に評価してもらっており、今後もMisoca開発チームはご利用いただく皆様の声に耳を傾けながら、ユーザーファーストのプロダクト開発を続けていきます。
そして引き続き「Misoca」は、個人事業主・中小企業の事務作業を大幅に効率化し、社会全体がより生産的な活動に向かうことができるようなインフラ・プラットフォームとしての役割を目指して参ります。

今回のグループ会社化を通じて、これからはMisoca単独では成し得なかった大きなチャレンジに向かうことが可能になります。
Misocaのスピードと弥生の経験・実績を融合させながら、今後もユーザーの皆様には安定的に品質の良いサービスを提供し続けられるよう努めてまいる所存です。

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