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『新卒フリーランス』を志望する大学生へ

shinsotsu

学生達は就職活動に疲弊しており、いざ憧れの企業に入社できても長時間労働などで身体や精神を壊してしまうなど、就職関連ではちょっと暗いニュースが多い昨今。そんな中、新卒のままフリーランスとなる選択も増えているようです。

フリーランスといえば、ある程度の社会経験を積んだ上で『独り立ち』するものというイメージが強いのでは。会社勤めの経験がないまま、いきなりフリーランスとして1人で社会に飛び込んでいくというのは、現実的に成り立つものなのでしょうか。また、新卒フリーランスを志望する学生はなぜ就職活動の道を選ばないのでしょうか。今回は、新卒フリーランス志望の大学生の意見と、気をつけるべきこと、そして最後には38年間大学の教員を勤め上げた大先輩からの愛のアドバイスをお届けいたします。


『新卒フリーランス』志望の大学生の意見

新卒フリーランスになろうと思ったきっかけ

私が新卒フリーランスになろうと思ったのは、「こういった働き方もアリなんじゃないか?」という漠然とした期待からでした。

私は学生時代、フリーでライターを2年やってきました。

はじめはお小遣い稼ぎ程度で始めたライターでしたが、仕事を請けていくにつれて、「これでもお金を稼げる」、「必要とされている」と感じることができるようになりました。また、他にも私同様、フリーランスで仕事を請け、生活をしている人がいるという世界を知ることもできました。

これから新卒を迎える若造の私ですが、新卒フリーランスへの微かに手応えを感じてくるようになったのです。
その手応えはやがて、「皆の働き方の可能性・視野を広げたい」という大きな理想へと変わりました。

私のような働き方をしている学生はまだ少ないですが、友人からは「○○(私)を見ていると、そういう生き方もあるのだと思えるよ」と言われるようになりました。

私が結果を出し続け、生活を成り立たせていくことにより、周りの人の意識も徐々に変わるのではないかと思えるようになったのです。

私が思うフリーランスの魅力

フリーランスの魅力は、何といってもフットワークの軽さだと思っています。

フリーランスである以上、自身の行動が収入に直結してくることはもちろんです。しかし、休みをとりたければとればいい。余裕があれば仕事を増やしてもっと稼げばいい。これができるのがフリーランスです。

また、このフットワークの軽さはプライベートにも活きます。

まだ私には子どもは居ませんが、ゆくゆくは子育てに積極的に参加したいと思っています。参観日、遠足、発表会などのイベント、子どもが風邪をひけば家で看病をする。こういったイベントや急な事態にも対応しやすいのがフリーランスの魅力です。

一時期は考えた就職。少しだけ行った就職活動での私の軸はワークライフバランスでした。
このワークライフバランスのライフの方に重きを置き過ぎた故に、新卒フリーランスになることとしましたが、後悔はありません。

前述の周囲の意識改革という大きな理想、そして私自身の私なりの人生の幸せを求め、今後もフリーランスとして努力していくつもりです。

今後の展望

現在はライター業をメインに収入を得ていますが、今後はその執筆ジャンルの幅を広げるとともに、働き方の多様性を提言する記事をもっと書いていけたらと思っています。

また、ライター業以外にも自分の趣味である雑貨づくり等にも手を出していくことができればと思います。

私を縛るものはありません。
自分のやりたいこと、社会に必要とされること。そんな仕事を見つけ、やりがいを感じながら生きていければ良いなと思います。

─dadaさん22歳・男性)


『新卒フリーランス』が注意したいこと

一般常識を身につける機会がない

新卒フリーランスという選択肢をとった場合、まず一番にくるのは、社会人として一般的な常識を身につける機会がないということです。

ある程度の大きな規模の会社に所属することになった場合であれば、新入社員研修として、社会人としてのマナーや、常識を身につける機会を自然に得られることが多いと思います。

また、ベンチャー企業であったとしても、先輩や上司に習うことがあり、学ぶ機会はいくらでもあります。

新卒フリーランスの場合、もっとも気をつけなればいけないことはやはりここです。自然に過ごしていても、誰もマナーや常識を教えてくれる人はいないということです。

ほかの社会人と対応する際、学生のままの状態で対応してしまえば、信頼し、仕事をもらうことはできません。ときには相手をいらだたせてしまい、お叱りを受ける場面もあるかもしれません。

それは、細かいことも含めいろいろな場面で感じると思います。たとえば、メールのやりとり。一度でも会社に勤めたことがあれば、まず習うのは、最初のあいさつですね。意味があるないはかかわらず、まずは「お世話になっております。」等の言葉をつけるのが一般的です。

この言葉、学生時代にはなかなか使う機会のない言葉に感じますが、日本の今の企業間のやりとりでは、これがほぼ必須ワードになっています。

それを知っていてあえて使わないのと、知らずにただ使っていないのとでは、雲泥の差があります。このような小さなことでも、円滑なコミュニケーションのために、まずは、一般的な常識を知るということが非常に重要です。

強い自制心がなければならない

企業などに勤めている人は多くの場合、決められた時間に出社し、決められた労働時間を守り、日々を過ごしています。しかし、フリーランスの場合は自分自身で働く時間を決めることになります。

もしあまりやる気がなければ短い時間にすることもできますし、たとえば締め切りがだいぶ先であれば仕事のペースを落とすこともできます。

しかし、そういったことを繰り返していくと、スキルも身につきませんし、クライアントの信頼も得ることができない。最終的には、仕事がなくなってしまう可能性もあります。

そうなると、自分自身で仕事をする時間をきちんと確保し、怠けたいという気持ちと戦いながら自らの仕事の成果を提供する必要があります。遊びたい日、遊べる日でも、仕事のためにしっかりと自制心を働かることができる人でなければ、フリーランスで活動すると自動的にゆるい生活に移行していってしまうのです。

─けんけんさん(27歳・男性)


『先生』からの愛のアドバイス

私は、38年間大学の先生をして、2016年3月に定年退職しました。そんな立場から、新卒フリーランサーに是非伝えたいことがあります。

フリーランサーは時代の流れ

今は労働者の1/3くらいが、派遣やパートなどの非正規雇用の時代です。大卒近辺の若い人に限ってみれば、二人に一人が非正規雇用という時代です。

自らが選んで新卒フリーランスになるか、仕方なくなったかは別として、新卒フリーランスは時代の流れでもあります。会社の方から見ても、時代の変化が激しく、多くの正規雇用を雇う余裕がなくなって来ています。また、フリーランスの人が安心して仕事が得られるような会社が続々と生まれています。さらに、電子出版ならほとんど無料でできるようになり、資金が必要ならクラウドファンディングなどのシステムも出来上がっています。

私のように定年を迎えても、なお20年近く生活を続けなければならない時代でもあります。定年まで勤めて感じるのは、正規雇用がかならずしも幸せとは限らないことです。40代で会社のリストラにあい、新しい仕事を探す後輩、企業合併で多くの余剰人員を削らなけらばならなくなった友、その後、鬱になり退社。ある程度年齢を取ってからの、フリーランサーは、経験こそありますが、能力、体力が落ちているためにたいへん厳しいです。

若いうちの方が、遥かに可能性も柔軟性もあります。
結局、人生、誰しもフリーランサーかもしれません。

はじめのうちは、経済的には大変かもしれませんが、自分の力で生きていけるのは素晴らしいことです。

経済的独立

新卒の場合は、社会経験が少ないのではじめのうちは大変かもしれません。そこで、アルバイトも交えながら、マルチに収入源を作る努力が必要です。フリーランスの仕事の種類も、比較的安くても確実なものから始め、年を追うごとに単価の高いものにシフトしていくのが良いでしょう。

また、金にならない収入源もあることを理解しましょう。
例えば、田舎に住んでいれば、畑で野菜を育てるというようなことです。農業は、金銭を得るのは難しいことですが、自分で食べるのならこれほど確実なものはありません。また、形は悪くても新鮮で、売っているどのようなものより美味しいです。経済的にも助かります。

また、仕事の中で、儲かる方向を見ることも大切です。今は、デザイン系やホームページの作成、いろいろなゲームやコンピュータの言語などに詳しければ、仕事は多いです。ただし、この方向も時代とともに変わるので、ついていく努力は大切です。

ある程度余裕ができたら、株式投資もマルチの収入源に加えてください。もちろん、経験と努力は必要ですが…。

スキルを磨く

大学の専門で学んだ分野、得意なこと、好きなことなどの専門の棚卸しが大切です。忙しくてもこれらの中から、役に立ちそうなことを徹底的に磨きましょう。オタク程度まで専門性が上がれば仕事になります。

また、新しいことを早く正確にマスターする方法を習得しましょう。大学はわずか4年間です。これ以後、どれだけ勉強するかで実力の差がつきます。学生時代の差は、実はほとんどありません。卒業してからが大切です。

先だけを見よう

多くの人は、過去にとらわれすぎです。過去にこだわれば、能力の多くを費やすことになります。反省は大切ですが、先だけを見て、考えましょう。

─ミンコフスキーさん(66歳・男性)


様々な角度から『新卒フリーランス』に対する考えをご紹介いたしました。
多様なワークスタイルが認められる今では、『新卒フリーランス』という選択も以前ほど驚かれなくなりました。本当に自分らしい働き方を選ぶことができること自体、とても幸運なことなのかもしれません。
自分らしい働き方ができるのがフリーランスの魅力ではありますが、大学生のうちはそもそも何が『自分らしい』のかもピンと来ないもの。既に確固とした『やりたいこと』や『なりたいスタイル』を芯としてお持ちなのであれば、新卒フリーランスを検討してみても良いのではないでしょうか。