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あなたにもできる!フリーランスのための『値上げ』心理テクニック

フリーランスの値上げ術
仕事の見積もりが通り作業開始、一度交わした契約とはいえ、どうも割に合わない。しかし、値上げの再交渉をすると、相手が嫌な顔をして次回から他の方へ頼まれてしまうかもしれない…。今回は、フリーランスなら誰もが覚えておきたい「値上げ」の心理テクニックをご紹介します。

 

値上げの概念

初めに値上げの概念を確認してみたいと思います。

「10万円の仕事を15万円にする事」(5万円の利益)
これは文句無しの値上げですね、しかしながらここで大切なのはもう一つの概念です。

「10万円の仕事の中から5万円の作業量を削減する事。」(5万円のコスト削減)
つまり、5万円の利益を得る事と、5万円のコストを削減する事は同じになります。
値上げの交渉の際には、この2点を考えながら行うと無駄な作業を省く事ができるので良いと思います。

値上げのタイミングとは

では、いつ値上げを交渉すれば良いでしょうか。3つのパターンに分けて考えてみました。どのパターンも相手への敬意の気持ちは忘れてはいけません、そして値上げは渋々という謙虚な気持ちから始まります。

  1. 初めての交渉
  2. 2回目以降の交渉
  3. イレギュラーの交渉

1:初めての交渉

初めての交渉時は相手へ実力を提示するものが無いので、誠実さとサービスで支払うギャラが低いのかもしれないと思って頂くのが良いと思います。
その上で可能であれば、作業内容について「相手が軽減できるもの」「お互いにWINWINになるもの」を考えて、作業終了までの時間を軽減する方向性に持っていくと、作業する方も初めてなのでモチベーションはまだ保てますね。
問題は2回目以降なのでは無いでしょうか。

2:2回目以降の交渉

2回目以降の交渉は、相手へ結果を提示しているので交渉材料が増えます。ここでの主な値上げの交渉材料は

  • 「1回目は初めてだったのでサービス価格でした。実際は…」(普段の単価の提示)
  • 「この作業を加えれば、安くセット料金にできる」(作業内容追加交渉によるギャラの値上げ)
  • 「この作業をしましたが、作業してみてこっちの方が効率が良いかもしれません」(コスト削減による作業内容軽減)

この要素を繰り返す事によって、作業内容の増加と無駄な作業が減っていくので作業効率が大幅に上がっていきます。

3:イレギュラーの交渉

相手へ強く交渉に出れるとしたら、このパターンであると思います。自分に過失があった場合は黙って従いましょう、この場合、相手の過失で作業が滞った場合など作業継続が厳しい状況を旨に話を進める事ができます。しかしながら姿勢はあくまでもこの場所で作業させて頂きたいという気持ちで、誠実な態度で交渉に挑むと良いのでは無いでしょうか。

値上げの実例

1:ちょっとしたサービスで好印象を付加する

父の塗装業の手伝いをしていた時の話です、作業内容で塗装部分の水洗いがありました。使用するのは業務用の高圧洗浄機。私は家の壁の汚れが落ちているのをみて、試しに自宅の外のコンクリートの汚れまで綺麗に落としました。結果的に当初の既存契約した金額よりも5千円ほどプラスされました。

2:最初は安く仕事を請ける

アイドルの制作に携わった時の話です。初めは既存曲のアイドルカバーの編曲を破格の値段で頼まれました。その後企画が進むにつれて、様々意見を提示していた所、ボイトレ、2曲編曲、ライブオープニング作曲、収録まで請け負うようになり、小分けして見積もり。最初はもう少し安くならないかと交渉されました。結果、合算のセット割引と称し、最初にカバー曲を請け負った料金の5倍もの値上げ交渉でギャラを手にする事が出来ました。

つまり、上記2つの例の様に値上げをするにはこちらだけの要求だけではなく、相手へプラスになることを提示すると交渉が成功する可能性が高くなります。

心理学に学ぶ値上げ交渉術

最後に心理学でも役に立つ交渉として、以下の4つの方法を紹介させて頂きます。私が知らず知らず使った手法はローボール・テクニックでした。これらの交渉を値上げの交渉の際に使用してみてはいかがでしょうか。

  • フット・イン・ザ・ドア
  • ドア・イン・ザ・フェイス
  • ローボール・テクニック
  • イーブン・ア・ペニー・テクニック

この4つのパターンをAが筆者、Bがクライアントの会話形式で紹介したいと思います。

フット・イン・ザ・ドア

これはセールスマンがドアに足を入れたら勝ちという事に由来しています。いきなり本来の目的に行く前に、前置きの交渉をして、少しづつハードルを高くしていくテクニックです。一度要求を頼んでしまうと次の要求が断りにくくなる人間の特性を露葉したテクニックです。

A「アイドルのライブ見に行っても良いですか。」
B「良いよ!」
A「アイドルの登場曲作らせて頂いても良いですか。」
B「良いよ!」
A「アイドルの曲作らせて頂けませんか。」(本来の目的)

ドア・イン・ザ・フェイス

これは、最初に断られる前提で大きな要求を仕掛けて、その上で断った罪悪感から本当の目的だった小さな目的を通すやり方です。

A「アイドルの曲作らせて頂けませんか。」
B「えー」
A「アイドルの登場曲作らせて頂いても良いですか。」
B「えー」
A「じゃぁ、せめてアイドルのライブ見に行っても良いですか。」(本来の目的)

ローボール・テクニック

最初に好条件の条件を得てから、不利な条件を加えるという少しずるいやり方。使う場面はしっかり考えていきましょう。

A「作曲代無料でいいからアイドルの楽曲作らせて頂けませんか。」
B「それなら、いいよ」
A「あっ、けど収録とかには少しだけお金かかってしまうかもしれないんだけどいいですか。」
B「そっかぁ、少しだけね。」

イーブン・ア・ペニー・テクニック

ドア・イン・ザ・フェイスとは対照的にイーブン・ア・ペニーは最初から下手に出て低い条件をお願いするという交渉テクニックです。

A「1円でもいいからアイドルの作曲させて頂けませんか」
B「いいよ」
と答えた場合、本当に1円で制作費を払う人は、クライアントの顔もあるのでまずいません。あまりに低い条件を提示すると、相手の要求以上にしてもらえることが多い心理をうまく利用した交渉術です。


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「値上げ」というと、何だか悪いことのような気がしますが、決してそんなことはありません。金額に見合わない作業量で疲弊して品質を落としてしまうくらいなら、しっかり価値や作業量に見合う金額に是正すべきでしょう。少なくとも、既存契約の値上げには相手へ敬意を払いながらタイミングよく、誠実な態度で交渉して行く必要があります。

協力:sekiguchi-masao さん