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仕事の「メニュー」を持たないフリーランスが損をしている理由

フリーランスのメニュー
フリーランスのみなさん、自分の仕事の「メニュー」作っていますか?

どんな仕事をいくらで受けられるのかというメニューがないと、「コレもできる?」なんて仕事を”言い値”で任されることになり、後々になって損した…なんてことになりかねません。メニューは自分を守るばかりでなく、新たなビジネスチャンスを切り開くきっかけにもなります。

フリーランスは「メニュー」を作らなければ損!その重要性を、インタビューライターの大橋さんが説きます。


フリーランスは業務以外のことを頼まれることがある

私はフリーランスでインタビューライターをやっています。仕事はインタビューをして記事を書くことなのですが、ときどき、「こんなことはできませんか?」「あんなことはできませんか?」とさまざまなお問い合わせをいただくことがあります。例えば、「写真は撮れますか?」や「編集はできますか?」などです。
ライターでなくとも、大抵のフリーランスなら、自分の業務以外の仕事の相談もされたことがあるのではないでしょうか。
取材のついでに写真を撮ることはさほど難しいことではありません。写真の技術はないけれど、webに掲載する写真なら、写ってくれてさえすれば、なんとか使えるモノは撮れるので、「できますよ」と答えています。同様に、編集作業も可能な範囲であれば引き受けるようにしています。そうした主たる業務以外のスキルであっても、自分にさまざまな付加価値をつけることで、仕事が受注できる確率が高くなるのであれば、フリーランスは手間を惜しまない方が徳だと考えています。

厄介なのは「無料」で頼まれること

ただし、ここで問題となってくるのが、それらの相談が「無料」の場合が多いことです。「取材のついでに簡単に写真を撮ってくれればいいから“無料”で」「原稿を書くついでに編集を“無料”で」ということになってしまうことが多々あるのです。

写真を撮ることは難しくはないとはいえ、それなりの機材も揃えなければいけません。昔のようにフィルム代とか現像代などの経費はかかりませんが、納品する段階では写真を選んだり、写真加工が必要となるのでPhotoshopで明るさを調整したり、見栄えをよくしたりします。これが意外と時間のかかる作業なのです。また、編集といっても雑用的な作業がほとんどで、「それはクライアントサイドの仕事だろう!」と怒りたくなることもあります。

ほか、「デザインできますか?」「イラストは描けますか?」「印刷も手配できますか?」といったこともあります。私にはそれらの業務はできないので、正直に「できません」とお断りしています。このときヘタに「できる人を紹介しましょうか」なんて言ってしまうと、なんやかんやでクライアントと紹介先との間を取り持つことになり、手配から発注、修正指示といった作業やクレーム対応を“無料”でやる場目に陥ったりすることもあります。

だからこそ仕事の「メニュー」を作ろう

こういった「無料」の作業を避けるには、自分の仕事の「メニュー」を作ることが大切です。「メニュー」というのは、レストランにある、あの「メニュー」です。
例えば、「取材時の簡単な撮影は〇〇円」「編集作業は〇〇円」といった具合です。また、デザイナー、イラストレーターの紹介も「紹介料〇〇円」とできます。それらは自分のwebサイトに掲載しておく方がいいでしょう。
私の場合、「取材時の簡単な撮影に限る」という条件でプロのカメラマンよりリーズナブルな料金設定をしています。プロのカメラマンではないので撮影だけを受けることはありませんし、プロのカメラマンと競合する気もありません。そんなに写真テクニックもありません。編集も、紹介もそうです。

本業ではないことにプロレベルの質を求められては困ります。だからその分、低価格なのです。そういう理由のある「メニュー」を作ることによって、そのギャランティを認めてくれるクライアントは多いものです。むしろ、仕事はワンストップで完了するので、クライアントにとってもメリットは大きいハズです。

また、「無料」を強いるクライアントのなかには「お金がかかるのであれば、仕事そのものを頼まない!」と言ってくる場合もあります。そんなケチなクライアントはあとあと、トラブルも多くなるので、付き合わない方がいい、と思います。しかし、どうしても仕事が欲しい場合もあります。そんな時は、交渉術として、「本来は撮影に〇〇円をいただいていますが、予算が少ないのなら今回は無料にします」と言うことで、クライアントに対して「お得感」をアピールすることもできます。さらに、「〇〇様の場合は特別に…」ということにしておけば、また新しい仕事がもらえるかもしれません。もちろん、ずっと「無料」の仕事も付いてくることになりますが…。

業種に適応した「メニュー」

「メニュー」を作ることで、自分の業務が広がりますし、自分の仕事に対する意識も明確になります。また、クライアントにギャランティを提示する根拠にもなります。
さらに、自分の「メニュー」を持つことは価格に対してシビアになる、ということでもあります。クライアントから提示されたギャランティをただ、『ああ、これくらいなんだ』と納得するのではなく、そのギャランティが高いのか安いのかという指針もできるようになります。

さらに、私の場合、業種によって価格設定を変えることがあります。webメディアなら〇〇円だけど、企業のオウンドメディアなら〇〇円、といったものです。
なぜなら、webメディアと企業のオウンドメディアでは求められるクオリティが違うからです。クオリティが高いものを作るには、日数がかかります。その分、単価を上げないといけません。制作するのに1日ですむモノと3日かかるモノが同じ価格ではやっていけません。3日かかるものは3倍の価格設定をすべきです。なので、自分の「メニュー」を持っておくことが大切となるのです。「メニュー」を持つことでクライアントとスムーズに商談が進みます。

未来を見据えた「メニュー」作り

また、未来のために自分がやりたいと思っている業務を「メニュー」化しておくことも重要だと思います。
例えば、今はwebのライティングしかやっていなくても、将来、webサイト構築のコンサルタントをやりたい、と思っているのなら、webサイト構築のコンサルタントも「メニュー」化しておきます。「メニュー」が多くなればそれらが総て自分の武器となります。ライバルにはない「メニュー」が作れれば、大きなアピールポイントになるはずです。自分がやりたいこと、できることをたくさん出して、「メニュー」化してみるのはいかがてしょうか。
たとえ、実績がなくとも良いのです。できないことを「メニュー」にしても意味はありませんが、「メニュー」化し、それを目標とする意識を持つことが必要だと思います。

それらの「メニュー」を自分のwebサイトに掲げておけば、それを見た人から依頼があるかもしれません。「メニュー」からチャンスが生まれることもあるはずです。
また、ライターが取材時だけの簡単な撮影をこなしていくうちに、プロのカメラマン並みのクオリティの写真を撮れるようになるかもしれません。そうなれば、ライターとカメラマンという2つの「メニュー」ができます。ライターという「メニュー」だけでなく、カメラマンという「メニュー」を作ることで2倍稼ぐことができます。逆にカメラマンという「メニュー」を作るということを目標にすれば、どうすればプロ並みの写真が撮れるか?を考え、そこからテクニックを極めるようになり、新しい才能が開花するかもしれません。そのためにも、「メニュー」を意識することはとても重要だと思います。

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ビジネスチャンスを広げるための「メニュー」

「メニュー」を増やすことで2倍も3倍も稼ぐことができるようになります。
デザイナーやイラストレーターといったクリエイターを紹介することを「メニュー」にすれば、ネットワークを武器にした新しいビジネスが生まれる可能性だってあります。
今ある仕事の7割が10年後にはなくなると言われています。これからの見えない時代では、フリーランスは、新しいビジネスを生み出していく必要があると思っています。そのためにぜひ、「メニュー」を意識して作り出しましょう。

─大橋博之さん(男性)


「メニュー」があるだけで、いつも相手に気遣ってウンウン悩んでいた見積もり作業も明瞭になりますし、できる・できないも明確になるので気持ちがずいぶん楽になります。自分の仕事を「見える化」できるメニュー、フリーランスなら作らない手はありません。