約束手形

今回は「約束手形」について解説をします。

 

「約束手形」とは、簡単にいえば「いつ、いくらのお金を支払います」と約束をする証券のことで、振出人が受取人に対して支払う金額を記載します。約束手形はただの口約束ではなく、それ自体に財産的価値がある有価証券なので、受取人も安心できます。

 

約束手形を発行するメリットは、一般的に「買掛金」よりも支払期日を先延ばしできることです。手元に現金がない場合などでも、手形を発行することで支払期日まで余裕を持ってお金の準備ができます。

 

例えば、商品を仕入れて販売する会社があるとします。1ヶ月後に仕入代金(買掛金)を支払わなければならないのに、商品を販売してその代金(売掛金)が入金されるのは3ヶ月後というケースがあったとしましょう。この場合に手持ちの現金が不足し、すぐに仕入代金の支払いができないということがあるかもしれません。

そうした際に約束手形を発行して「3ヶ月後に支払います」という約束をすることによって、支払期日を先延ばしすることができるのです。

 

なお約束手形の受取人は、指定された期日に約束手形を銀行に持ち込む「取立」という方法で現金化をします。その他、支払期日前に利息相当分の手数料を払って銀行に買い取ってもらう「割引」や、第三者への支払いに使う「裏書」という方法によって現金化することもできます。