売上を計上しよう –基本的な計上基準–
この授業で学べること
- 基本的な売上計上基準について(出荷基準、引渡基準、検収基準)
売上を計上しよう
受発注教室へようこそ。それでは授業を始めます。
よろしくお願いします!
前回の授業「商品を出荷・納品する際の流れ」はいかがでしたか?出荷・納品業務の流れや必要書類について理解していただけたでしょうか?
はい!出荷依頼から商品を納品するまでの流れを理解することができました。また「出荷依頼書」「納品書」「受領書」の書き方も学ぶことができました。今回の授業では何を勉強するのですか?
今回の授業では、「売上計上」について解説していきます。売上の計上方法は何種類かありますのでそれらを理解していきましょう。
わかりました!よろしくお願いします!
基本的な売上計上基準
商品やサービスを取引先へ提供したら、その代金を売上として仕訳処理します。その際に問題となってくるのが、どのタイミングでその売上を計上するかです。
売上を計上するタイミング・・・ですか?
はい。はっちゃんがお店で買い物をする場合には、レジでお金を払った瞬間にお店の売上になるのでわかりやすいですよね。でも企業間の取引では、その場で即座に現金で支払うことばかりではありませんから、ではどうしたら会社としては売り上げたことになるのか?を考える必要があります。
なるほど。
タイミングは採用している計上基準によって変わります。計上基準にはいくつかの種類がありますが、今回の授業では基本的な「出荷基準」「引渡基準」「検収基準」の3つについて説明します。
(参考:弥生販売 操作マニュアル)
それぞれの基準をもう少し詳しく見ていきましょう。
「出荷基準」:商品を出荷したタイミング
物品販売を伴う業種(製造業や卸売業)で多く採用されています。店舗や倉庫から商品を出荷した時点で「商品を引き渡した(=取引先へ提供した)」とする考え方です。
出荷する際には納品書を発行しますから、その納品書の控えが売上の記録となります。
「引渡基準」:相手の手元に届けたタイミング
「出荷基準」と同様、主に物品販売を伴う業種などで採用されます。特に自社で配送までしている場合はこちらが採用されやすいです。こちらは相手の手元に届けた時点で、文字通り「商品を引き渡した」とする考え方です。
「受領書」など取引先が商品を確かに受け取ったという記録が必要になります。取引先が確認印やサインをした日付が売上の計上日となります。
「検収基準」:検収が実施されたタイミング
商品の品質や種類、数量が重要な取引において採用される基準です。試運転が必要な機械の販売や、ITシステムのように納品後に一定期間の実運用テストが必要なシステム開発会社などで採用されています。
取引先から受け取る検収確認書の日付で売上を計上しましょう。
自社に適した売上計上基準を採用しよう
売上を計上するタイミングは、会計処理を行う上で非常に重要です。なぜなら売上計上のタイミングによって、その期間の会社の業績にも影響するからです。
ふむふむ。
また売上計上のタイミングは一度採用してしまえば、正当な理由がない限りは変更することができません。ですので、業種や自社の実態に適した売上計上基準をあらかじめ採用するようにしましょう。
わかりました!うちの会社の売上計上基準をちゃんと確認しておきます!
まとめ
いかがでしたでしょうか?基本的な計上基準について理解していただくことはできましたか?
はい!出荷基準、引渡基準、検収基準の3つについて理解することができました。その上で、自社の売上計上基準をちゃんと知っておかないといけないなあと思いました。
よかったです。今回の授業はこれで終わりにします。次回の授業は「請求業務の流れ」です。それではまた次回。お疲れ様でした。
ありがとうございました!