事業が赤字だけど株の利益がでた。相殺できる?個人事業主・フリーランス必読!
大人気コーナー「現役税理士への質問」です。
Misocaのお客様に事前に税理士に聞いてみたい質問を募集し、集まった質問に現役税理士が答えていくというコーナーです。
今回も教えていただくのは、税理士法人創経の山塚さんです。
税理士への質問
では早速始めましょう。今回届いたのはこんな質問です。
株の利益が出ましたが、この利益は赤字の分と相殺して、税金は戻ってくるのでしょうか?
個人事業をやられている方の中には事業と株を両方ともやっているかたも多いのではないでしょうか?
それでは税理士の答えを聞いてみましょう。
税理士の回答
株式の売買による利益と、事業による赤字とは相殺できません。
分離課税制度
個人の所得は、所得の内容によって種類が区分けされています。原則的には、全ての所得を合算して確定申告するのですが、合算されない所得もあります。合算されずに独自に税金が計算されるため、分離課税と呼ばれています。それに対して給与や事業による所得は合算されて課税されるため、総合課税と呼ばれています。
黒字と赤字の相殺
株式の売買による利益は、代表的な分離課税の所得です。事業による赤字と株式売買による黒字を相殺することはできません。
逆に、事業による黒字と株式売買にとる赤字を相殺することもできません。
配当所得の扱い
上場株式の売買による損失は、上場株式の配当による利益と相殺することは可能です。また、上場株式の配当を、総合課税として事業による赤字と相殺することも可能です。上場株式の配当は、分離課税か総合課税を選択できる仕組みになっています。相殺されれば、源泉徴収されている税額の一部が還付されることになります。
以上になります。
株式の利益と事業の赤字は相殺できないのですね。
個人事業主やフリーランスで株を考えている方は気をつけるようにしましょう!
それでは次回の「現役税理士への質問」もお楽しみに!
税理士法人創経 代表社員 山塚 陽平
筆者紹介
経営・税務・リスクマネジメントを中心とした
トータルサポートを実践。起業や承継を
テーマとしたセミナーの講師も行っている。
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