代表取締役退任のご挨拶

みなさん、こんにちは豊吉です。
本日、私が代表取締役を退任することを発表いたしました。2018年11月30日から代表は現在弥生株式会社の取締役で、株式会社Misocaの取締役でもある安河内崇氏になります。

この投稿は(とても寂しいですが)最後の挨拶となります。Misocaの関係者、特にユーザーの方に向けて、これまでお世話になったお礼と思い出を少しだけ綴りたいと思います。

当社は2011年6月に私と松本の二人で創業しました。Misocaをリリースしたのはその約半年後です。Misocaのアイデアは私のプリンタと請求業務が苦手であるというところから生まれました。

当時私は絶対に会社にプリンタを置きたくないという強い気持ちに取り憑かれており、USBメモリに請求書PDFを入れてコンビニで印刷するということを毎月やっていました。海外には1通から郵送してくれるサービスがあったので試したこともあるのですが、請求書がエアメールのカラフルな封筒で届いて諦めたということもありました。そこで「ないなら作るか!」と作り始めたのが最初です。当初私はこのサービスにオクールという名前を提案していたので、今は却下されて本当に良かったなと思っています。

Misocaをリリースしてからは私にとっては初めてのことばかりでした。ユーザー登録があり、Twitterに誰かが書き込むといったことに一喜一憂していました。ユーザーのオフィスに行ったり、一緒に機能を考えてリリースするということもしました。「顔を見てみたい」と突然オフィスに訪問してくる人がいて驚くということもありましたが、そんな毎日はとても楽しかったです。

時にはよくないこともありました。お金を扱うサービスなので自動テストを取り入れるなど品質には気をつけていましたが、リリース当初は不具合や障害も今より頻繁にありました。当然のことではありますがヘビーユーザーほど不具合に遭遇する確率が高く、何度も同じユーザーに迷惑をかけるのは特に辛かったです。

しかし、うれしかったのは私が電話やメールで謝罪すると「丁寧に連絡ありがとう。がんばってね」と応援してくださる方が多くいらっしゃったということです。逆にお詫びの連絡がきっかけで導入事例に出てくださる方すらいました。緊急で障害対応をするプレッシャーと反省で落ち込んでいるなか、多くの方の暖かい反応には本当に助けられました。

そんなユーザーの方々のおかげでMisocaは広がっていき、登録数では20万を超えるまでのサービスになりました。Misocaに関するツイートは今でも全てチェックしていますが、ありがたいことにビジネス向けサービスとしては普通よりかなり多い口コミがあると感じています。最近では特にIT業界ではMisocaを知っている人がいるのが当たり前になりました。昨年ごろには、私の父親から仕事で偶然Misoca製の請求書を受け取ったと聞いて、それにはさすがに驚きました。

昔の話になりますが、Misocaの開発を始める前に知り合い20人ぐらいにインタビューをしたところ、すぐに使いたいと言ってくれるのは数人ぐらいだったということがありました。私は強い違和感を抱いていることだけど、多くの人は請求書を印刷して郵送するのが当たり前と思っていたということでしょう。それが今これだけ多くの人に見つけてもらえ、便利と感じてもらえるのは一人のプログラマとして最高に幸せなことだと感じています。本当にありがとうございました。

最後になぜ今辞めるのかという話をさせていただきます。タイミングとしては2016年に弥生のグループ入りする時に3年を一区切りということで弥生とも話しており、その時の気持ちが変わらなかったので、わがままを通させてもらったという形になります。なぜ辞めるのかという理由は、考えてみたのですが、なぜ起業したのかという理由とまったく同じでした。

私はこの会社を作る前はフリーランスでWebシステム制作などをしていました。仕事は順調でしたが、経験を積む中で「Webサービスで自分の力を試してみたい」「せっかくプログラムが書けるのだから世の中の役に立ちたい」という気持ちが湧いてきて起業をしました。今回も同じようにもっと困難な力試しをしたい、もっともっと多くの人に役に立つことをしたいと思ってしまいました。

Misocaでやり残したことはあります。しかし社員も20名を超え、弥生という強力なバックアップも得た今、私がいなくても大丈夫な体制になっています。「究極のMisoca」という私の考える理想の形というのも社内文書にきちんと残してありますので今のメンバーやこれから入るメンバーが私の想像を超えるものにしていってくれるでしょう。

とはいえ、新しいチャレンジをしたいからといって特別なことをしようとは思っていません。Misocaを松本さんと始めた時と同じように、まずは問題がある現場に行き、当事者になり、よく話を聞くというところからふつうに始めるつもりです。

さて、随分長くなってしまいました。書けば書くほどMisocaとみなさんとの懐かしい思い出が蘇ってきて、この文章を書く時間自体もとても楽しいものになりました。

Misocaユーザーのみなさんと私は、たった1枚の紙の郵送を手間に感じるという点で、同じ仲間なのかなと勝手に思っております(そうですよね?)。そうであればきっとまた引かれあい、どこかで会うでしょう。その時、みなさんも、みなさんのチャレンジでワクワクできていてくださったら私はうれしいですし、もし一緒に仕事をできるなんてことになれば最高だなと楽しみにしています。

Misocaリリースからの7年間、みなさま本当にありがとうございました。
世の中を仕組みでシンプルにするため、新たなスタートをきるMisocaのことをどうぞよろしくお願いいたします。

代表取締役 豊吉隆一郎(@toyoshi

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代表者変更のお知らせ | Misocaプレスルーム

豊吉隆一郎

株式会社Misoca代表取締役

2002年より名古屋にてフリーランスとしてWeb制作を始める。
2011年6月、株式会社Misoca(旧スタンドファーム株式会社)を設立。

趣味はマラソン、将棋、マニュアル化。
CSNagoya勉強会共催者、名古屋Ruby会議スタッフ、OSCNagoya2011実行委員長など

請求書サービスMisoca
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